肉体関係を用いない工作

工作の手法に関して

肉体関係を用いない工作

別れさせ工作というと、対象者に異性の工作員を近づけ、既成事実を作るという手法をとると考えられる方は多いです。確かにそれが現実的に可能であれば、対象者が既婚者の場合は有責配偶者となり得るため、対象者の配偶者側から一方的に別れることが出来るでしょう。

また既婚者でなくても、「どこからが浮気か」の線引きが人それぞれとは言え、他の異性と肉体関係を持った相手の行動は浮気と考える人が殆どでしょう。そのため別れさせには有効だと思われがちですが、しかし、法的に肉体関係を用いることは出来ないのです。

探偵社は法令を遵守

探偵社は、探偵業法という法律に則って業務を行う義務があります。この法律には、業務の内容から、欠格事由、依頼人様に対しての重要事項の説明責任、その他契約時の規則、社員の教育、罰則までもうけられています。

この最後の罰則に、業務内容に反することや各種法令・法律に抵触する行動をとることにより、業務停止処分となることが記載されています。場合によっては、欠格事由に該当し、探偵業を営めなくなる可能性があります。そのため法律に抵触するような手法を用いることは出来ないのです。

肉体関係を使った手法については管理売春となるおそれがあるため、行うことができません。業者の中には既成事実を用いた別れさせを提案しているところもあり、依頼人様が聞いても具体的にわかりやすい手法であるために、依頼してしまう方も多いようです。

ハニートラップの真相

しかし、営業停止処分を受ける可能性があるのに、実際に行うと思えるでしょうか。業法が出来て改善されたとは言え、今でも誠実に行わない業者があるのは残念ながら事実です。

肉体関係を用いるから99%成功しますと言っていても、業者は自身を守るために実際には行わず、依頼人様に対しては「今回のケースでは残念ながら残りの1%でした」と伝えて終了となるのが定石です。100%と伝えなければ詐欺にはなりませんし、そのために業者が尽力したかどうかも見えない部分ですので不明です。

以上から、肉体関係を使った工作の提案というのは営業トークであることが大半であると言えるでしょう。

もしくは、法律知識に疎い業者かもしれません。このような場合、実際に工作の中で行ってもらうことができ、別れさせには成功するかもしれません。しかしそのような業者であれば、肉体関係のみならず、調査中のその他の行動でも法律・法令等に抵触するなどの危惧があります。

これにより依頼人様が巻き込まれるような警察沙汰になってしまうリスクも生じるのです。よって、いずれにしても肉体関係を用いることは避けるべきでしょう。

では、それ以外でどうやって別れさせをするのかと疑問に思うかもしれませんが、そもそも肉体関係を持ったからと言ってその相手が本命になるとは限りません。
特に工作のように、対象者ともともと関係のない人間が、何か月かの間に近づいて仲を深める上で肉体関係を持ってしまえば、身体だけの関係になりかねません。

身体よりも心を工作員に向けるようにしなければ、別れさせが成功したとは言えないのです。
工作員はずっと対象者のそばにいることはできませんから、工作が終了してフェードアウトした瞬間に、もとの木阿弥に戻ってしまうようでは意味が無いのです。
逆に、心さえ動かしてしまえば、肉体関係を用いずにも別れさせることは十分に可能です。

別れさせ工作は決して異性工作員のみを用いるわけではなく、むしろ同性の工作員を近づけて仲良くなり、心理誘導を行なうことも少なくありません。
同性同士のほうが話しやすい内容もありますし、本心を聞いてみると不平・不満を持っている人は多いです。特に性の悩みなどは同性にしかわかってもらえない内容でしょう。

やってみたら同性工作のほうが異性工作より上手くいったというケースもあるのです。
これは実際に行ってみないとわからないことです。性別にかかわらず、対象者の気持ちを変えていくというのが別れさせへの一番の近道と言えるでしょう。