医者の浮気調査に対する考え方

医者の浮気調査に対する考え方
氏名
司馬 清輝
職業
医師 医学博士
医療法人社団 礼恵会(むすび葉クリニック)院長

私達医者は、心の病気を抱えている患者に対して、話すこと、そして薬を処方することしかできません。
そのほとんどが人間関係を理由に悩み、ストレスを抱え、そして次第に心に傷を負い、体調に支障をきたしてくるのです。悩みやストレスに長い間晒されているうちに心のバランスが崩れてしまう。
例えば、うつ病の患者数は15年前と比べて倍以上に増加しています。もちろん、心の病は検査などで明確に診断できる疾患ではないので、その判断基準の変化によって増加しているとも言えます。また、とにかく薬を処方したいという医者がそのために積極的に患者に病名をつけ、その結果がこれに繋がっているとも考えられます。

いろいろな見方ができますが、私の実感としては、心の病を抱えた人が年々増えていることは間違いないと思っています。これはおおざっぱな言い方かもしれませんが、心の病だけでなく、大半の病気のもとを辿れば、ストレスやホルモンのバランスが崩れたことに起因します。

考え方が個人主義的と言うか根拠のない自信が強く、勤め先で上司や同僚とうまく行かないことを訴える方が多くなりました。そのために雇用が不安定になりがちで、それがさらにうつ病の悪化を招いているようです。夫婦関係や恋人との関係が原因となるケースも非常に多い。このように人間関係が原因で心の病になったり、ストレスをためたり、ホルモンバランスに変調をきたす人が目立つのです。

医者として、出来る限りのことはしていますが、どうしても限界を感じるときがあります。
例えば、胃の疾患を抱えている患者さんと話していて、ストレスの原因が夫の女性関係にあるとします。
夫が浮気しているのではないか。もし違っていたらと思うと直接聞くこともできない。しかし、浮気していてそれが本気だったとしたら、将来はどうなるんだろう。浮気しているならやめさせたい。いや、離婚したほうがいいのかもしれない。
患者さんは、日常夫と接しているからこのことがずっと頭からはなれない。迷路に入り込んだように延々と悩み続けてしまう。
医者として、胃の疾患を直すことはできても、ストレスの根本の原因が解決されない限り、日々の夫婦生活でまた身体に負担がかかり続けるのです。そして、また胃に変調をきたしたり、別の箇所にそれが飛び火するということはよくあることなのです。

心の病は深刻です。
例えば、恋人との失恋が原因で悩みを抱え、そのもの自体に起因するのであれば、解決しない限り、改善はしません。私達医者には、夫の浮気問題や失恋の解決などできるはずもなく、そこに限界を感じるのです。
最後の最後にはその壁が立ちはだかり、患者に向き合う医者であればあるほど無力感を抱いてしまうのです。

そこで、私達には携わることのできない別の分野の人の協力が必要となってくるのです。
ストレスや悩みの原因が夫婦問題や恋人との関係にあるとすれば、探偵に解決してもらうしかないのです。
事実を知ることで、逆に前向きになれることもあります。
しかし、だからと言って、簡単に探偵を薦めるわけにはいきません。

探偵社には様々なところがあります。
万が一、根本的な原因を解決しようと動いた患者が、悪徳な探偵社に騙されたとしたらどうでしょう。
原因は解決されず、さらに患者の心が傷を負うことになります。良い結果が必ず得られるものではない問題ですから、探偵社としてのクオリティーや姿勢がとても重要になってきます。

能力はさることながら、しっかりと説明責任を果たし、精神的なサポートもする。
依頼者に都合の良い話ばかりをせず、ときには現実を直視させ、厳しいことも言う。
厳しくもあり温かみもある、そしてしっかりとした契約内容で業務を遂行してくれる探偵社が解決に動いてくれればと思っています。

私はFAX探偵ドットコムが運営する探偵BARアンサーには何度も行きました。
同社の代表取締役の長坂さんとは、同年代で気の合う友人でもあります。
二人で飲むときには、いつも医療と探偵の関係について、激論を交わしています。
探偵のノウハウや話術が実は患者とコミュニケーションをする上で、とても参考になったりするのです。
お互い違う世界で生きる我々ですが、人の幸せを願っていることは同じなのです。

司馬 清輝

医師 医学博士
医療法人社団 礼恵会(むすび葉クリニック)院長