恋愛的な手口のメリットとデメリット

別れさせ屋の工作の手口と言えば、多くの方が工作員の恋愛的な接触工作を想像するかもしれません。
例えば依頼者が女性で、元彼と今カノを別れさせたい、といったケースでは、彼女の方に男性工作員が接触し、恋愛関係になり、元彼から彼女を略奪する、といったイメージです。
実際の別れさせ屋の工作では、上記のような方法を選択することもあります。単純明快でわかりやすく。1つの工作方法、手口として確立されているからです。
しかし、この別れさせ屋の方法にはデメリットもあります。それは多くの場合、長期間行なう必要があり、またそれにともなって費用がかかる点です。
低価格で行なうには
恋愛関係構築のパターンはあくまでも一つの手口です。
この別れさせ方法には多数のバリエーションが存在しており、工作員が接触する方法からターゲットとの関係の構築、そして告白から交際までと、工作の段階ごとに枝分かれさせることが可能です。
つまり予算に応じて、各段階の方法をどれにするか、組み合わせはどれが最適なのかをターゲットの状況を加味した上で変化させることができます。
ずっとパターンで進めていく必要はないのです。
十人十色の別れさせ方法
別れさせたい相手、夫婦なりカップルの関係・性格などによって別れさせ方法は変わります。
対象者となる人はみな同じではありません。なのでお決まりのパターンだけではなく、各ケースに合わせた方法を検討する必要があります。
そのため対象の恋愛関係は長いのか、短いのか、どこで知り合ってどういう付き合い方をしているのか…などを調べる調査が重要となるのです。
関係の悪化と別れさせる方法
別れさせ屋工作の対象となるターゲット二人が、すでに夫婦関係や恋愛関係に問題がある場合では、多少のキッカケから自然分解することもあります。
もろくなったコンクリートに少しヒビが入っただけで全体が崩れてしまうように、工作によって創り出したヒビが二人の関係を悪化させ、崩壊させるのです。
不信感と別れさせる方法
どのような夫婦でもカップルでも、100%相手を信じることは難しいものです。特に自分にやましいところがあればあるほど、相手のことを簡単には信用しません。
例えば、不倫している男性は、自分の妻に浮気の疑惑が出てきただけで、大きな不信感にとらわれ、相手の言葉を鵜呑みにはできなくなります。なぜなら自分自身が妻にウソをついているので、相手の言葉にもウソがあるのではないかと疑心暗鬼になるのです。
別れさせ屋の手口には、こういった心理面での先読みが不可欠と言えるでしょう。
ほめられると弱い
例えば工作員は心理学を利用したりします。
人はおだてに弱いものです。人を説得するときには、相手の優越感や名誉欲をうまくくすぐることが有効なのです。
説得や交渉にはいくつものテクニックがあります。その一つとして”おだてる”という手法が挙げられます。「選ばれたあなたに…」などといったセリフがまさに当てはまります。これは広告やチラシの手法としても広く使われているもので、メールでの勧誘にも効果を発揮しています。
抽選で選ばれた100名の方だけに!とか、信用おけるご職業の方だけにご案内を差し上げております…などといったたぐいのカードや会員の入会案内などがそうです。「特に選ばれたあなたにだけ送付しております」というのがこの種の勧誘の常套句ですね。
優越感をくすぐる説得テクニック
たとえば身近な別の例では、デパートに買い物にいった主婦が店員から「奥様のような方でしたらこの程度のものを身に着けていただかないと…」といったような言葉につられて、つい高価な洋服やアクセサリーを買ってしまった、などといったケースがあります。
営業トーク、ほめ言葉と分かっていても、虚栄心をつかれる人は弱いものなのです。
よほどの見え透いたお世辞でないかぎり、ほめられたりおだてられたりして怒る人はいません。
それは言葉による一種の”報酬”を与えられているためです。
人は報酬を与えてくれる人を悪く思うことはありません。
それに乗せられているかも…と内心思いながらも結局乗ってしまう、というのが人間心理の弱点でもあるのです。
そして心理的な空白の部分に、素早くかつ自然に滑り込み、自分の意図した方向に相手を導き、相手の意見や行動を誘導していくのが説得のテクニックの一つなのです。