調査編・・・「2.作戦の練り直し」「別れさせ屋」 東京都武蔵野市 30代 男性

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※依頼人様からの寄稿のため本人と特定されない様に文中の固有名詞は事実とは異なる部分がございます。

「別れさせ屋工作」 東京都武蔵野市 30代 男性 会社員 近藤さん(仮名)より

調査編・・・「2.作戦の練り直し」

「まず、リスクは承知しておいてくださいね」。

新たな調査方針について相談したいだなんて期待させて呼んでおいて、いきなりこのセリフ。

おいおい、Nさん、そりゃないよ。

まさか、相手と面等向かってやり合えなんて言わないよね? 

弱気な俺にできるワケないじゃん。

いじめられっ子時代、カツアゲされた相手に満面の笑みで金を渡していたこの俺に…。

「落ちついてください。うまくやれば問題なく相手を追跡できる方法をご提案しようとしてるんですから」。

気が付くと、"カツアゲ上等スマイル"になっていたらしい。

リスクがあると聞いて笑顔を浮かべてたら、ただのバカだもんなあ。

いやあ、失敬、失敬。で、

その作戦ってナニ?

「まず、携帯電話を購入していただきたいんですよ。GPS携帯というのはご存知ですよね? 位置を特定できる機能が付いた携帯電話のことですが、それを買って奥様に持たせて欲しいんです」。

な~んだ、カンタンじゃん

…って、それ、めっちゃ怪しいじゃん、俺!

「そこがリスクなんです。しかし、普通の尾行が困難な状況の今、不貞の証拠を押さえる唯一の手段は、これしかないんですよ!」

Nさんも必死だ。

人事にも関わらず。

俺にとっては、まさに自分自身の問題だけど。

二人三脚で解決に向けて進んでいこうというNさんの言葉にはウソはなかった。
やっぱりココにお願いしてよかったと、俺は確信した。

とともに、覚悟を決めた! 

「わかりました。やってみよう」。

この"やってみよう"の部分だけ、ゴルゴ13調に格好良くキメてみた。

なんか、うまくできるような気がするから。しかし、やることは、上さんに携帯電話を買ってやるだけ。ショボイ…。それでも、俺にとっては大作戦なのだ。上さんを取り戻すため、ふたたび愛し愛されるため、人生最大の賭けに出たのだ!

決戦当日の朝がやってきた。
もちろん寝てない。
上さんにバレて詰められたときの言い訳を考えてたら、寝れやしない。

結局、妙案は浮かばなかったけど…。

トボけきる。コレしかない。

いじめられっ子時代、カツアゲしてきた同級生たちがタバコを吹かしてた現場を先生にチクって復讐。
そいつらに犯人だと疑われても笑顔でかわしまくった俺ならできる。

トボけさせたら天下一品。年季が違うのだ! 

とは言え、細心の注意は怠らない。

なんで、急に携帯電話なんてあげるのか? 

そうだ、会社名義で家族用の携帯電話を買ってもらえることになったことにしよう。

福利更正の一環だとか言って。

頭いいぞ、俺! 惚れ惚れする作戦だ! 

しかし、これ、実はNさんから伝授された請け売り。
俺は言われた通りにやるだけ…。

いいじゃん、素人なんだから!

ピッピッピ。GPSの信号は勝利の波動。

拾ってくれよ探偵さん。無音のサインを。ピッピッピ…。

何も知らない上さんが起きてきた。

階段を降りて俺に一言。
「早く起きたのね。今、朝ゴハン作るね」
「時間はあるから慌てなくていいと。今日は魚?」

俺たちの仮面夫婦っぷりも板についてきた。

しかし、探偵さんたちとタッグを組んでなかったら、こうは冷静で居られなかったに違いない。

いじめっ子たちもビビる番長を味方につけたような心境だ。

そんな俺を尻目に上さんは、こう抜かしやがった。

「今日ね、由美子たちに誘われてるから一緒にお買い物に出るの…」。

クゥ~、白々しいことを。

由美子って俺の同僚の奥さんじゃないか。

裏取ってやろうか! 

いやいや、落ちつくんだ、俺。

いいさ、出ろ出ろ。そして、フェラーリにでも何でも乗せてもらうがいい。

今日こそ尻尾を掴んでやる。

見失うなよ、携帯ちゃん! 

ピッピッピ…。

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