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依頼人体験 |
依頼人様からの寄稿のため本人と特定されない様に文中の固有名詞は事実とは異なる部分がございます。 |
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「浮気調査」 神奈川県横浜市 40代 女性 主婦 三村加奈子さん(仮名)より
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| 第十回 浮気現場B |
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主人は女とラブホテルに入っていった。三沢さんは、たしかにそう言ってました。
今、主人は、私以外の女を抱いている…。いよいよ、確実な証拠が手に入る。
このとき、普通はどう感じるものなのでしょう? 達成感? それとも、悲しみ?
私の場合は、後者でした。これまで、証拠を掴むために必死になってきました。
そして、今、まさに、その瞬間が訪れようとしている。
もちろん、ある種の満足感はありました。
しかし、それにも増して、裏切られたことの悔しさと悲しさの方が大きかった。
面談のとき、三沢さんが言っていた言葉が頭をよぎりました。
「疑いや疑念を抱いているときの感情が、証拠を押さえたあと、
どういう風に変化するかは、依頼人様ご自身もわからないものなんですよ。
つまり、浮気していたら離婚すると心に決めていらっしゃったとしても、
事実が判明したら、逆に熱が冷めて、許すことにされたりとかですね。
そのときになってみなければ、わからないものなんです…」
たしかに、私も、主人が裏切っていたら離婚だと決めていました。
許せるはずがないと感じていたからです。
これまでの年月と、楽しかった日々がウソだったなんて、
誰だって信じたくはないものだと思います。少なくとも、私はそうでした。
だから、それを裏切るような相手と続けられるなど考えられない。
つまり、離婚という道しか残されてはいないと覚悟していたんです。
しかし、主人が浮気をしているという事実は、
私の想像をはるかに超えて、心に重くのしかかってきました。
震えるほどの悲しさに襲われ、孤独な思いに包まれていきました。
ところが、この悲しさは、ある瞬間を境に、薄れていったんです。
私の心に変化が訪れたときに、それを感じました。
正直言って戸惑いましたが、私は、悲しみ打ちひしがれながらも、
一方で、どうすれば主人を許すことができるのかを考えはじめていたんです!
まさか、裏切った主人を許そうと思うなんて…。
ところが、許したいと感じた瞬間に、心の重荷が軽くなっていく。
ひとりの女として、浮気相手の女性に対する敵対心が芽生えた感じでした。
主人は誘惑されたんだと思えば楽になりました。
誘惑した女が悪い。主人は騙されたに違いない。
責任転嫁かもしれませんが、そう思うことで、力が湧いてくるから不思議です。
「先ほど、ご主人が女を連れて出てきました。
言い訳のきかない状態の画像も押さえてあります。
このあとも追跡は続行いたしますか?」
三沢さんたちの仕事は完璧なことでしょう。
信頼しているので、何も言うことはありません。
私は、三沢さんにすべて任せるかたちで、
最後まで見届けていただくようにお願いしました。
でも、このとき、私の中で感情に変化が起こっていたことを
三沢さんには言いませんでした。
調査は、浮気の現場を押さえたことで十分な成果を得ることができました。
しかし、私の気持ちが離婚をしないという方向に動いた以上、
調査だけでは不十分になってしまいました。
調査の結果を土台にしなければならないことではありますが、
私は、そこから先のことを考えはじめていたんです。
つまり、主人を許すために何をすれば、
いや、三沢さんたちに、何をお願いすればいいのかということを…。
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