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「これまでのところ、動きは先週とほとんど同じですね。また、車の中で昼寝をしているようです。ゴルフに行く様子はないですね」
12時、1時、2時…。時間はどんどん過ぎていく。ああ、もう、動くなら早く動いて!三沢もきっと同じ気持ちだったに違いありません。
そろそろこちらから聞いてみようかしら、でも動いている最中だったら邪魔になるし…ああ、でも気になって仕方ありません!!
そう思っていたとき、携帯電話が鳴ったのでした。
「動きましたよ。事後報告ですみません。バタバタしておりましたので。そのう…、ご主人は関内で女性を車に乗せて、元町へ向いました。今はふたりで買い物をしております。けっこう買いこんでますね。女性は、20代前半。巻き髪のロングヘア。茶髪で細身。身長は155センチ前後ってとこですかね。顔は女優の○○○○をきつくしたような・・・」
衝撃的な光景を見てしまった元町で、また主人は、アノ女とデートしている…。間違いない。アノ女に間違いない! 年齢、髪型、身長まで三沢さんが伝えてくれた特徴も、ピッタリと一致する。
あのときは見なければよかったと思いました。でも、今は、知りたくて仕方がない。おかしな話ですが、どうしてもホテルへ行って欲しいと思うようになっていました。
「中華街へ移動しました。買った物は車に残したままですね。身軽になって手をつないでいます。遅めのランチでも摂るつもりでしょう」
次は食事? いい気なものね。でも、不思議なことに、私はワクワクしていました。私の知らない主人の行動が手に取るように伝わってくるという非日常的な状況に刺激されていたのかもしれません。
ところが、そんな余裕も、次に入った三沢さんの報告を聞いたときに吹き飛んでいきました。
「すみません。ご報告が遅くなりました。今、ふたりは中華街から近くの駐車場完備のラブホテルへ入って行きました…」
『ラブホテルへ入って行きました』。
三沢さんの言葉が耳にこびり付きました。
『ラブホテルへ入って行きました』。繰り返し思い出すたびに、身の毛がよだつ思いでした。これから、ふたりは肉体関係を結ぼうとしている。汚らわしいイメージが眼前に広がり、私は静かに壊れていく心の音が聞こえたような気がしました・・・。
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