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週刊特報 連載中 「探偵 スッパ抜き紀行」------------------

5/3号 せんだみつお流、地べた営業の真髄 記事を紙面スタイルで読みたい方はこちら


私、以前、某金融会社に勤めていましてね。

取り立てが大変苦手でして、ハイ。

罪悪感で心が張り裂けそうに苦しくなってしまう。それを理由にリストラされ、いまの探偵社に拾ってもらったというわけなのです。

こんな私だからこそ真っ先にとりあげたいのがせんだみつおネタなのです。

気に入って指名していたキャバ嬢がどうやら銀座のクラブで働いているらしい。

捜してほしいという依頼案件を担当したときのことです。最近多いんですよね、水商売や風俗のコの移籍先や消息をつかみたいって方が…。

それで対象者の写真を片手に銀座の街を聞き込みしていたんです。確か先月初旬のことだったと思います、ハイ。

深夜の二時頃でした。偶然、金融会社時代の知り合いの姿を見かけたのです。

声を掛けようと近づいてみると、なんと知り合いの横にはあのせんだみつおがいるではありませんか。

しかもです。知り合いに対してペコペコと惜しみなくお辞儀を繰り返しています。

「芸能人にお辞儀されるほどヤツは偉かったか?出世したのかなあ」

 調査もそっちのけで昔の知り合いの出世に軽い嫉妬心を抱きつつ話しかけたのです。

「久しぶり。芸能人に挨拶されちゃって出世したなあ」

「前と変わらないよ。せんだみつおのこと?いやあ、さっき会ったばかりなのに、営業されていたんだよ。俺に営業されてもなあ」

こう呟きながら一部始終を話してくれた。

知り合いは、とあるビルの地下1Fにある「R」というクラブで飲んでいた。その店は銀座のクラブの中では大箱で、30名以上お客さんが入ることができる。

 閉店時間を少し回った頃、50歳前後のおじさんと茶系のシャレたジャケットにパンツ姿のせんだみつおが店に入ってきた。時間も遅かったので、彼らを除いて客は2〜3組だったそうだ。

「せんだ!皆様にご挨拶は」

店に入るなり、そのおじさんはせんだにむかってこう言った。すると手に持っていた異様に大きなオレンジ色の水玉模様の蝶ネクタイをはめて大声で叫んだ。

「なはなは!せんだみつおでございます!」

そして、店にいた全てのテーブルを回って自分の携帯電話番号入りの名刺を配りながら営業を開始したのだ。

「何かありましたらお電話下さい。仕事下さい」

相手の素性も職種も聞かず、営業に入る前の軽いジャブもない。数打てば当たる的なベタな直接営業。

知り合いが清算を済ませ席を立とうとするやいなや、サッサッと走り寄ってきて「送らせて下さい」という具合だ。結局、店を出てビルを出るまで会釈まじえ見送ってくれたそうだ。

「何かありましたら電話を下さい」

最後の言葉もこれだった。

そのシーンを私が目撃したわけです、ハイ。

「そう言えば…。あまりの勢いにボー然としちゃって、せんださんから渡された名刺を店に忘れてきちゃったよ。まっ、いいかぁ。せんだだもん」

 悪びれもせずこう言った知り合いの頭を引っぱたいてやりました。失礼だって。女のコの名刺はしっかりと持って帰るくせにね。

せんださんの行動は「らしさ」と「物悲しさ」を同時に感じます。

とにかく元気をもらいました。

いつか当社のキャラクターに起用できないかと社長に進言するつもりです。


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