「今、被調査人は喫茶店に入りました。こちらも隣の席をキープして情報入手します」
本部に連絡を入れた私は、コーヒーを注文して新聞を広げたのでした。
すると、被調査人とは逆の席に、思わず引き込まれるような会話を展開する初老の男性集団がいるではありませんか。
その話が、この間、亡くなった、いかりや長介に関する内容だったもんですから、つい、聞き耳を立ててしまって。
しかも、ひとりの男性は、かなり、いかりや長介と親しかった様子。
長さんって、そういう人だったんだぁというエピソードが出るは出るは…。
「踊るなんたらで刑事役やってたろ?
だけど、長さんって、若いときのがデカみたいだったよ。
開襟シャツ着たらモノホンだったもん。
前にさあ、仕事で青森まで一緒にで行ったことがあったんだよ。
そしたら、長さんが『手ぇ出せ』って言うわけ。
で、両手を差し出したらいきなり手錠掛けるんだぜ。
『オマエ、犯人な。オレがデカやるから』って。
結局、そのまま青森まで芝居を続けんだから、たまんないよ。冗談、長すぎだって」(笑)。
この男性、どっかで見たことあるなあ。
最近、ワイドショーに出ていたような気が…。
あ、元ドンキーカルテットのジャイアント吉田だ!
ジャイアント吉田といえば、バンドとして活動していた頃のザ・ドリフターズで、いかりや長介と同じメンバーだった古〜い仲間。
そりゃあ、よく知ってるワケだ。
そうとわかれば、突撃、直聞き。
「す、すいません。ジャイアント吉田さんですよね? 私、長さんのファンなんです! お話を聞かせてもらってもいいですか?」
最初はおどろいていましたが、吉田さんは、最終的に快諾。
話の輪の中に入れてくれたのでした。
吉田さんによれば、いかりや長介という人は、粋な笑いとシャレが好きだったらしい。
一方で、情に熱く、仲間の葬式に行ったときなんか、そこの親族と一緒になって朝まで飲んでるような人物だったようです。
「でも、新しいドリフのメンバーは、シャレが利かなかったなあ。ドリフの絶頂期だった頃に、志村けんと新幹線で一緒になったことがあんだよね。そしたら『長さんってホントにケチなんですか?』とかいろいろ聞いてきたの。だから、『ああ、ケチだね。『テレビとかは全部用意するから一緒に住もう』って長さんが言ってきたんで、OKしたら、持ってきたのはラジオだけだったもん』って、シャレで言ったわけ。そしたら、志村がすっかり真に受けてメンバーにベラベラ。これが、緊急ミーティングにまで発展したらしくてさあ。後で長さんから『オマエのせいでドリフが解散しそうになったじゃねえか!』って怒られちゃった。しばらくして、オレが所属事務所問題で揉めてたとき、同じ事務所だった泉ピン子が長さんにオレのことを聞いたワケ。ジャイアント吉田って、不義理な人? みたいな感じで。そしたら長さんは、『アイツは後ろ足で泥をかけるようなヤツだよ』って言ったらしい。シャレの逆襲食らっちゃったよ(笑)。いろいろあったけど、あの頃は楽しかったなぁ。長さんがいなくなると寂しくなるよ」
いやあ、おもしろい話だなあ…。ウッ、被調査人の会話聞き忘れた(汗)。
【探偵ファイルNO2】
車内で息を殺して撮影。依頼人は写真の男性の妻で、夫の不審な行動に疑念を抱いて依頼。驚くべき事実が判明。
両手に花で笑顔の男性だが、両脇にいる女性2名はなんと愛人だった。
この後、三人仲良く揃ってホテルに直行。現地にて依頼人に報告すると、現場にやって来て我々の制止を振り切りホテル内へ乱入。
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