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週刊 探偵修行記------------------ |
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10月-2 「現場初体験!」
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お、先輩が今から調査に行くらしい。
俺の席の隣で、カメラ機材、バッテリーのチェックなど
不備がないよう念入りに準備を行なっている。
「先輩、今からドコに行くんですか?」
「接触狙いの張り込み。現場はこの近く。」
先輩は俺にビデオカメラの使い方や、張り込み場所、尾行の仕方など、
事細かに説明してくれた。
この先輩、普段は口数も少なく、俺が入社して一週間とはいえ、
日々の挨拶以外にほとんど話した事がなかった。
しかし現場の話となると、人が変わったようにアツく語りだしたのである。
先輩の真剣な眼差しをみて、俺はさらに触発される。
よ〜し、俺も負けてはいられない。
一日も早く現場に出れるよう、まずは勉強だっ・・!!
と、入社時にもらった調査業に必要な知識がまとめてある資料を
完璧に頭に叩き込もうと、再度読み返していた。
すると、隣の席から 「お前も来れば?」 ポツリとひとこと。
「エッ!? いいんですか?」
「そんな資料にかじりついてるばかりじゃ、意味ないだろ」
どうやら先輩は、一日中、資料にかじりついている俺に見かねていたようだ。
「はい、行きます! よろしくお願いします!!」
入社6日目にして現場デビューである。
ちなみに、俺はまだ「1人」の人員としてはカウントしてもらえない。
依頼人には「3名」と言って受けている現場だが、実際は俺を入れて4人。
当然、俺の分の料金などは加算されない。
まあ、仕方ないか・・・。早く一人にカウントしてもらえるように頑張ろう。
20時。 吹き抜けになったオフィスビルの一階に先輩と俺はいた。
俺は先輩の指示に従って、吹き抜けになった二階の踊り場に移動。張り込みを開始した。
先輩が言ったとおり、ここからだと一階の出入り口が見渡せ、ターゲットの動きも、
先輩の動きも把握できそうだ。
現場の状況を一瞬で判断する先輩!さすがだなあ!!
先輩は、西新宿のオフィス街という場所柄、濃紺のスーツ姿。
そして、携帯でメールをしていたり、電話で話していたりと、
とても張り込みしている探偵には見えない。
ビジネスマン然とした風貌と行動は、周りの景観にしっくりと馴染んでいる。さすがだなあ!
待つこと三時間が経過した。 ターゲットはまだあらわれない。
・・・ト、トイレに行きたくなってきた!!
そこでエスカレーターを駆け下り、先輩に相談。
「先輩、すみません。ト、トイレに・・・」
「ダメ。いつターゲットが動くか分からないから気合で我慢しろ。」
「え、え、え・・・は、はい。」
満杯の膀胱に、途切れそうになる集中力を必死に保ちながら、
耐える。耐える・・・。
終電間際になってようやくターゲットが出てきた!!
残念ながら、終電に間に合うように必死に走るターゲットに声をかけるのは
状況的にNGということで、この日の接触はナシに終った。
でも・・・先輩達はやっぱりすごい。
トイレ行かないのは当たり前。水も飲まない。何も食べない。
で、平然としながら集中力が途切れることがない。
こっそり鞄の中に非常食やら飲みモノやら持っていっていた自分が恥ずかしくなってきた。
先輩達に聞いたら、「ペットボトルとか持ってると、その分重くなるから邪魔。走るのに支障が出ると嫌。」
「お腹空いてるくらいの方が、眠くならないし集中力が持つから。」
「食べたり飲んだりすると、その一瞬でも視界が下向くからダメ。あ、携帯も同じだから。そのくらいは言わなくても分かると思うけど。」
だそうだ。もう、心構えからして全然違うよ・・・。
くそー!! 今からこっそり練習しておこう。
と、俺は会社からの帰り道、愛用の自転車でたまたま前にいた自転車の男を追っかけてみた。
しかしこの男、急いでいるのだろうか? やたらスピード速いんですけど。
俺は必死で、追っかける。 狙った獲物はもう逃がさん!!
まて〜、このやろー。 まちやがれー!!
”ドッターン”
追うことに必死で周りが見えなかった俺。
猫がいたのに気づかず、慌ててよけようとして派手に転倒。
「痛ぇよ〜・・・」
俺の悲痛な叫びは、丑三つ時の夜空にこだまする。
立ち上がれ、気合だ!! 歯くいしばれ!俺!!
来週こそ、ちょっとは進歩したタカハシを皆さんにお届けできるよう精進します。
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