メル友裏とり調査|第四回 「頼み」福島県福島市 23歳 女性 OL

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※依頼人様からの寄稿のため本人と特定されない様に文中の固有名詞は事実とは異なる部分がございます。

「メル友裏とり調査」 福島県福島市 23歳 女性  OL 小林由紀子さん(仮名)より

第四回 「頼み」

それは突然のことでした。思いがけないプロポーズに浮かれ、退社も決めた矢先に、試練が訪れたんです。

お金の問題でした。いつになく元気のない顔をしていた田島さん。気になって理由を聞くと、彼、こんな風に切り出してきました。

「夢と現実って、やっぱり違うのかなぁ…。なかなか難しいよ」

どうしたの、田島さん? 何があったの? 改装中の店舗をふたりで眺めるのがデートコースの定番になっていたのですが、そのとき、田島さんがさみしそうに言いました。

「恥かしい話なんだけどね。お金がないんだよ。お金が…」

と。慌てて夢へと突き進んだ田島さん。お店を出す候補地を必死に探し、ようやく理想の空き物件をみつけた。でも、預金は、保証金にも満たない額しかなかったようなんです。それでも、この物件をあきらめることができず、契約してしまったそうなんです。もちろん借金をして。はじめて聞いた話でした。

「銀行の融資なんて受けられないからね。友人にお願いしたんだ。でも、全然、足りなくて…。サラ金からも借りて何とかしたしたんだけど、支払い期日までに返済が間に合わなくってなってきてね」

最初に借りたサラ金会社へ返すお金を別のサラ金会社から工面。その次もその次もという感じで、借金が膨らんでいったというじゃないですか! 結婚、退社、幸せな家族経営。私が描きはじめた未来予想図は、大きく塗りかえられてしまう。許せなかった。私の胸に起こった感情でした。田島さんが、というよりすべてを言ってくれなかったことに対して。これから一緒に歩んで行くパートナーなのに!

「やっぱり言えなかった。けど、もうどうしようもない状態まで追い込まれてるんだ。今さらなのはわかってる。だけど、あと200万円で切り抜けられるんだ! こんなことお願いできるのは、もう君しかいないんだ! 200万円、貸してもらえないか?」

正直、混乱しました。強くて男らしい田島さんが、涙を流しながら懇願してくるなんて。しかも、お金のことで。私は、未来予想図と現実の狭間で揺れていました。実際、200万円は大金です。でも、同時に私はこう考えたんです。未来予想図を完成させるためには、今、200万円が必要なんだと。単純に200万円貸してくれと頼まれたら、きっと断わったでしょう。でも、今回の200万円は、ふたりの幸せな将来のために必要なお金。意味のあるお金。そう思った瞬間、心は決まりました。そして、何とかしてみると、田島さんに告げたのでした。

「え、ほ、本当? 大丈夫なの? い、いや助かるよ! ありがとう!」

田島さんに笑顔が戻りました。何度も頭を下げてお礼を言いながら。止めて、田島さん。これはふたりの問題。幸せを掴み取る前の試練なんだから。そう、田島さんが困っているなら助けるのが私の役目。不思議ですね。運命共同体なんだって感じたとたんに

気分が晴れてくるんですから。でも、現実は厳しかった。何と、返済期日は3日後。私の貯金は200万円もない。そこで、私はサラ金会社に走ったのでした。親や友人には言えません。だって、理由を聞かれるじゃないですか。もし、素直に話したら、そんな男に関わるなって言われるに決まってる。大好きな田島さんをダメな人間かのように言われるなんて、私には耐えらない!私だって、他人の話として聞いたら反対するでしょうね。でも、他人が私の幸せを運んできてくれるわけじゃない。これは私と田島さんの問題なのですから私が何とかするしかないんです。 結局、5社のサラ金会社をまわってお金を借り、自分の貯金を引き出して200万円を工面。サラ金ってけっこう簡単に借りられるんですね。大金を持っていると思うと緊張して仕事も手につかない程でしたが、これも田島さんのためです。返済期日の当日に田島さんに渡しました。

「ありがとう! これで店をあきらめずに済むよ! 本当にありがとう!」

田島さんの力強い腕が、私の肩をギュッと抱きしめてきた。小さな小さなトラックの中で、私は田島さんに寄り沿い、将来のことをあれこれ考えていたのでした…。

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