こうして出会った私と田島さんは、“馴染みの軽トラック”で、デートを重ねたのでした。
Hをしたのは2回目のデートのとき。
ちょっと強引だったんですけど、いきなりラブホテルに車で入っていってという感じでした。
前触れもなく何かをしてくるんですよね。田島さんって。でも、こういう驚きは嫌いじゃなかった。
大人だから安心できるっていうのもあったんですけど、言うことを聞いてると、どんどん幸せな気分になっていったんです。何の疑いもなく信じきってましたから。
田島さんから聞く仕事の話が、私は大好きだった。
自分自身、ラーメンが好物でもあったんで、生意気な意見をしたりして(笑)。
でも、田島さんは、お客様の声が一番、大事なんだよって、真剣に聞いてくれた。
前向きで、まじめで、苦労人。人を包み込むようなやさしさを持った素敵な田島さんにどんどん惹かれていったんです。Hに関しても若い男のコにはない深さみたいなものがあって、いっぱい開発されちゃった(笑)。
ホント、心もカラダも田島さんのものという感じでした。
ところが、私が田島さんに話す話は、全部、仕事の愚痴ばかり。相変わらず成長しない私。自分でも何を言ってるんだろうって思いながら、ついつい…。そんなある日、田島さんが、また私を驚かせるようなことを言い出したのでした。
「そんなに今の仕事がイヤだったら、辞めてオレを手伝ってくれないか!」
私には、私自身も気付いていない才能があるって田島さんは言うんです。今の仕事では決して活かされないけど、自分のパートナーになってくれれば、十分に発揮できるって。コンセプトを新しく練り直してラーメンの味を開発するためにリニューアル中とのことだったので、田島さんのお店には一度も行ったことがなかった。だから、急にそんなことを言われてもと、私は自信のない言葉を田島さんに言ってしまいました。
「よし、わかった。じゃあ、一緒に“実現する前の夢”を見に行こう!」
って田島さんが、はじめて私を自分のお店に連れて行ってくれたんです。車の中でも、新たなスタートに私の力が貸して欲しい理由を話しっぱなしでした。現場に着くと、田島さんは、大通りに面した建物を指さしました。見た感じは、何かの店舗という感じ。改装中だったので、もちろん開いてません。カウンターとイスが残されていたので、かろうじてラーメン屋さんだったのかなぁとわかる程度でした。ほとんどゼロの状態です。
しかし、そんな店舗を見る田島さんの目は、輝いていた。そして、私の方を向いてこう言ったんです。
「すべてを見せるって言っただろ? ココからはじまるんだよ。オレたちふたりは!」
これって、プロポーズ? いや、そうに違いない! 田島さんの全てに惹かれていた私には、そうとしか思えなかった。でも、たしかめてみないと…。
「ハハハ、そう聞こえた? もし聞こえたんなら、そういうことだよ!」
よかった! もちろん、私の答えはイエス! ストレスばっかりの仕事になんか未練もない。本物の男性と巡り合ったおかげで、全てが変わった。やっぱり私の人生って順風満帆! 少なくとも、このときはそう思ってました。これから訪れる苦しみなんて、まったく予想していませんでしたから…。